とびますとびます

美容院でヘッドスパをしてもらいました。

頭皮を、シャンプーより強力なクレンジングでマッサージし、ナノスチームで洗浄します。

このナノスチームという細かい蒸気が大きめの掃除機のような機械から作り出され、
ホースを伝い、ナイトキャップのようなものを被った私に送られてきます。

蒸気で膨れた頭部はまるでエイリアンのごとしで笑えました。

で、笑いながらナノマシーンを観察していると、目にとまった注意書きが。

「とびましたら押してください。何度もとぶようでしたら会社まで連絡を」

注意書きの上にはスイッチが一つ。


何がとぶのかしら。

最初に思ったのは、ナノマシーンからバネのようなものがビヨヨヨ～ンと飛び出してくる危険性。

この拘束された状態で、それをかわすのは至難の業です。


次に思ったのは、処理が進むにつれナノマシーン本体が熱を帯び、
ロケットのように飛んでいくこと。

私も一緒にですか？

すでに犠牲者がでていますか？


しかし、ここはやはりナノマシーンのボディから、何かサービス的なものが
とびだしてくると考えるのが無難でしょう。

で、スタッフを呼んで聞いてみました。
「何がとぶのですか？」

ところがスタッフも解らず、他のスタッフを呼び、事が拡大していく中、見つけてしまいました。

スイッチの隣に「ブレーカー」の文字を。

・・・。

期待、したのにな。


ところで、私の髪はピカピカになりました。
私の「美」はある程度のお金をかけないと手に入りませんが、

ピピンさん達は無料です。

「マダ～ム、今日のヘアはいかがいたします？」
「そうね、夏だからおもいきってショートに」





近頃のムルさんは、発色がとてもきれいです。
「オットコマエやろ？」



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