異種との遭遇
出会いというと、ロートレアモンの『マルドロールの詩』の一節
「ミシンと洋傘との手術台のうえの、不意の出逢いのように美しい」を思い出します。
この奇跡のような美の言葉は、衝撃とともに、私の前頭前皮質に焼きつきました。
ピピンとの出会いは少しだけ衝撃的でした。
当時の私はコザクラをお迎えしたくて、しかし一人暮らしで初めての恒温動物(笑)、
迷いながらも入った小鳥店にいたのは、
さながら、温室ミカンに紛れ込んだデコポンのように、
数羽のセキセイ雛に囲まれていた、一羽のコザクラ雛。
他の雛達を押しつぶしながらにじり寄ってくる、綿の塊。
店内に響く小鳥たちの声をバックミュージックに、
無言で睨めつける見上げてくるつぶらな瞳。
手に乗せると、これはアタチノベッドと言わんばかりに身を任すふてぶてしいあどけない仕草。
か、かわいい
頭が空っぽになって、気が付くと、壺巣を抱え、お店の外に。
鳥が苦手で小鳥店に入れず、近くの喫茶店で待っていた相方の不審そうな顔を見て、
お迎えの実感がわきました。
セルジは生き餌扱いで輸送されてきて、むしろこちらの方が動揺しました。
(受け取りはもちろんは配送所です!)
オレ様同士の邂逅
「・・・・・・」 「・・・・・・」 「緊迫ちた空気でちゅ」
お友達ですよ
「なんじゃいこいつ!」 「なんか動いてるけどー」
「なにやっとんじゃこいつ」 「ポリポリ」
「・・・・・・」 「・・・・・・」
「無理です」 「オレモ無理な気がする」
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何度読み返しても疾走感がうすれない詩です。
人間椅子和嶋氏の、初期の歌詞が好きな人ならスラスラ読めます(笑)
2009.05.16 | コメント(4) | トラックバック(0) | すてきなピピンさん
