ティッシュペーパーファンタジー
夏バテの季節は過ぎ去り、残暑バテの季節が到来しました。
残念な私は残暑バテと秋風邪のコングロマリットにより、
大脳をほんのり上気させている次第なのでございまして、
それならばいっそ意識を飛ばしてみるかと、
濃厚なファンタジー小説を手に取ってみました。
ピーター・S・ビーグル
「最後のユニコーン」
世界で自分が最後の1頭だと聞き及んだユニコーンが、
冴えない魔法使いと辛辣な女を伴って、仲間探しの旅に出る物語。
同じようにホビット達が旅に出るトールキンの指輪物語のような
壮大な展開はまったくないが、いわゆるお伽話の世界で、
ユニコーンという非常にクールな生き物と、
何かととんちんかんな登場人物達が織りなすスクリューボール・コメディ。
ではなく、ストーリーという小説として大切な枠組みを逸脱しかかるなど、
多少ついて行けない部分もある、これぞファンタジーという一冊でした。
人間主体ではないので、少しとっつきにくいかもしれませんが、
とても楽しめる本です。
読後、しばし脳内妄想を楽しんでいると、
視界の片隅、物陰からカタコトと不定期な音が響いてきました。
これはもしや幻獣が出現したのかしらと音源を辿ってみると、
ティッシュボックスからペーパーを取り出そうと
しきりに頑張っているピピンさんと出会いました。
カタコトではなく、ガサゴソでした。
近い将来、振り返れば乱舞するティッシュペーパーを
目撃するかもしれません。
2012.09.06 | コメント(6) | トラックバック(0) | ピピンと本
