3月11日
この日とは全く関係ないようにみえた本を、
先日、読み終えました。
カズオ・イシグロ
「わたしを離さないで」
原題「Never Let Me Go」
1950年代から科学が猛烈なスピードで発展した世界においての現代、
主人公キャシーの仕事は臓器提供のためにクローンされた「提供者」の
「介護人」であり、キャシーもいずれ「提供者」として「使命」を終える運命
であった。同じ施設で育った親友の介護をきっかけに、キャシーは延命
の可能性を求めてある人物を訪ねに行く。
この物語の1文に、私は落涙しました。(中略しています)
「科学が発達し、新しい治療法が見つかった新しいすばらしい世界で、
消えていく古い世界を胸に抱きしめて、離さないでと懇願している」
私には、震災で家族を故郷を失った人々の、
すばらしく効率の良いこの世界に対する叫びのように、
心に聞こえてきたのです。
ところで、前回記載したナッツ☆パーティーは失敗に終わりました。
砕いた生ピスタチオを見つめるピピンさん
「食べ物ではなキュってよ」
切ない判断が下されました。
でもこっそり、毎日、ほんの少し、ペレットに混ぜて出しています。
竜胆とセルジくんは少し食べてくれているような気がしますが、
ピピンさんはきっちり避けています。
美味しくないのかなぁ。
現在、ナッツは私の春の体重増加に大貢献しています。
2012.03.11 | コメント(2) | トラックバック(0) | ピピンと本
