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寄り添って

アーシュラ・K・ル=グウィン
「いまファンタジーにできること」
20120226n6.jpg
原題「Cheek By Jowl」

SF、ファンタジー作家であるル=グウィンのエッセイや講演を纏めた本で、
「一級のファンタジーは一級の導きを提供する」(本文抜粋)ことを
様々なファンタジー小説を例にとって案内しています。

ところで、この本は動物物語を多くとり上げており、
動物を幼稚なものと扱い、動物だから許されるとでも思ったのか、
人間社会の悪しき風習をそのまま動物たちに押し付けている小説、
人間を特別な存在にするために動物たちを利用する小説を、
ル=グウィンは辛辣に批判しています。

かの名作、ジャック・ロンドンの「白い牙」をも、
冷酷と愛が胸を刺す物語と高評価しながら、
主人公(犬)にとって人間は神だと記したロンドンのそれは
人間が自惚れすぎであり、「生物種的偏見」だと指摘している。

おそらく動物好きの本好きであれば大抵は引っ掛かるであろう
「この本はとても面白いのだけれど、ちょっともやっとする」部分を、
晒してスカッと晴らしてくれています。


また、ル=グウィンは人間のコミュニティと動物たちの世界が
隣人関係であった過去を語り、

現在の人間というひとつの種しかいない社会の中では、
ペットは「他者たち」の世界への重要なリンクだと位置付けています。

だからでしょうか、人がペットに手を伸ばす時、
その身に纏う空気がするりと変わるように感じるのは。

まるでベターハーフを求めるに似た仕種は、
彼らと寄り添って生きた世界へ帰還した証なのでしょうか。


20120226n1.jpg

放鳥中、竜胆を腕に乗せたまま30分程うたた寝をしてしまい、
はっと起きてみれば、竜胆が寝る前と同じ位置にスタンバイしていました。

小声でピヨと、起きた?とでも言うように鳴く竜胆に、
寄り添ってくれてたのねと、気持ちがほっこりしました。


時折、あやしい寄り添い方をする竜胆ですが。

20120226n2.jpg
私のベターハーフを自負するピピンさんはエロリンにも余裕です。


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お眠むのピピンさんと、足掛けを頑張るエロリン。


20120226n5.jpg




ル=グウィンは手厳しい了見の持ち主ですが、
飛び抜けたユーモアで笑わせてもくれます。

この本では小説家らしく、原作を踏まえない映画(アニメ)化を
ユーモラスに嘆いていました。

はなはだしく誤って伝えられ、センチメンタルなものにされ、
質を劣化させられているものは、たぶん『バンビ』だろう。
『バンビ』というタイトルを読んで、
眼球の肥大したキュートなスカンクたちが目に浮かぶ人がいたら、
ディズニー病にかかっている。




2012.02.26 | コメント(6) | トラックバック(0) | ピピンと本

コメント

はなはだしく誤って伝えられ、センチメンタルなものにされ、
質を劣化させられているものは、たぶん『バンビ』だろう。
『バンビ』というタイトルを読んで、
眼球の肥大したキュートなスカンクたちが目に浮かぶ人がいたら、
ディズニー病にかかっている。

この件りがいいですねーー笑っちゃいました。
ディズニーでは『バンビ』好きなんですが劣化してるとは・・原作を読んでみなくっちゃ・・
鳥たちにとって私は神・・だろうか??いや・・完全なるシモベ・・下僕・・だな・・この関係もいかがなものか・・e-263

2012-02-26 日 19:40:37 | URL | ジェミー #- [ 編集 ]

ええー

だってバンビにスカンクはつきものじゃんっ!!
って私バンビの映画見たことないかも^^;;;
原作ももちろん読んでませんわよっ(イバリ
ディズニーあんまり詳しくないのよねぇ。。

私は一時期話題になった(?)インコの絵本がだめですね
どうしてみんなが泣けるとのか理解できない
きっと、ル=グウィンさんならバッサリ切ってくれそう。

うたたねしてると寄り添ってくれる竜胆ちゃん。愛らしい
お迎えした当初心をすっかり閉ざしているぷーちんを放鳥しながら
ふとうたたねして目が覚めたとき、
側に来てまんまるになって寄り添ってくれてたことを思い出しました
あぁぷーちんかわいかったなぁ~

2012-02-27 月 17:02:56 | URL | まぁこ #siLR0EeE [ 編集 ]

幼少期、ディズニー系で私を洗脳しようとした母は失敗しました。
なぜなら、ディズニーキャラとミッフィー(なぜかミッキーマウスが含まれていない。主に白雪姫、親指姫、バンビ、ダンボ、ワンワン物語)で幼稚園グッズをばっちり固めることより、私を膝にのせて、日本の怪談をじっくり語り聞かせる祖父の言葉の威力は圧倒的だったからです。
面白そうな本ですね。検索してみます。

眼球の肥大したキュートな・・・それ、私かよww

動物ものの本は好きでしたが、幼少期からリアリストでしたので、もっぱらシートン動物記とファーブル昆虫記が愛読書でした。
ずっと狼とカラスを飼いたいと思っていました。
ジャック・ロンドンも読みました。

リンちゃん・・・春ですねぇ。
あぁ、うめのお尻の骨と羽の感触がリアルに蘇ります・・・。

2012-02-29 水 11:20:15 | URL | とんがりねずみ #IHLSsbW6 [ 編集 ]

>ジェミーさん

私は”肥大”に爆笑しましたよ~v-411

>ディズニーでは『バンビ』好きなんですが劣化してるとは
劣化というより、面影なしというか(笑)
私、アニメのバンビとザルテン(原作)のバンビが同じものだと
気が付いてませんでしたv-356
だって原作のバンビは、草食動物そのまんまやったから・・・。
草食動物の視点から描かれている残酷さは、ちょっとぶるっときます。

少々ひねくれた私はアニメバンビは苦手ですが、
ヒーロー的な良さはありますよねv-219

挿し餌時代はスプーン(シリンジ)が神かもしれません。

2012-02-29 水 23:44:18 | URL | さゆり #- [ 編集 ]

>まぁこさん

>バンビにスカンクはつきもの
私、アニメバンビを絵本で、原作バンビを小説で読んだのですが、
一緒の話とは全く気がつかず、肥大した眼球のスカンクを思い出しましたわ(笑)

> ディズニーあんまり詳しくないのよねぇ。。
そんな感じがとてもしますよ。。

> 私は一時期話題になった(?)インコの絵本
うむむ、知りませんでした。
泣かせる為の本?だと苦手です。

>きっと、ル=グウィンさんならバッサリ切ってくれそう。
めった切りしそうです(笑)

ルグウィンはシートン系の動物の普遍的な生を大切にしています。
たとえ「黒馬物語」のように擬人化されていても、
その種に忠実な物語は惜しむことなく称賛していました。

閉ざしていたのに、まんまるに寄り添うぷーちんを想うと、
胸がトクンと鳴りましたよv-398

2012-03-01 木 00:08:39 | URL | さゆり #- [ 編集 ]

>とんがりねずみさん

お母様の行動は、生まれながらにしてクールなとんがりねずみさんを
案じてのこと。返ってじいさま、児童に何しとんねんと(笑)

> 眼球の肥大したキュートな・・・それ
とんがりねずみさんは目デカ?
いいなぁ。私は切れ長といえば聞こえの良い形状です。
目が細いと、化粧が上手になりますv-221
前のメールですが、ファンデーションの寿命は開封後は1年位を目安に、、、。
分離、酸化するので丈夫な肌以外お勧めしません。
(弱い肌だと、分離したのが刺激になったり)

>リアリストでしたので、もっぱらシートン動物記とファーブル昆虫記が愛読書でした。
ル=グウィンと同じ見方ですね(^^)
彼女も動物が人間にデコラティブにされるのを嫌っています。
シートンの「灰色熊の一生(伝記)」を絶賛していました。

>ずっと狼とカラスを飼いたいと思っていました。
私も想ってましたv-218

うめちゃん、ひとつ前の記事でコメしたのですが、
本当に動揺してて、秘コメになっていました。
(多分、中身はみていないのだけど)
リアルうめちゃんと会っていないけど、
私はうめちゃんんが大好きなのですv-398

2012-03-01 木 21:12:14 | URL | さゆり #- [ 編集 ]

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暁さゆり

Author:暁さゆり
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愛媛県在住
動物が大好きで、鳥を偏愛
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サザナミインコ(コバルト)の男の子
2009年9月23日辺り生まれ
「ぴーちゃんハウス」からお迎え
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