思い出のマスカット
今更なのですが、昨年のクリスマスに島へ行ってきました。
岡山で相方と落ち合い、
ミニスカサンタで華やぐ街を後にローカル線を乗り継ぎ、
寒風吹き荒ぶ港に到着すると、買い出しの帰りと思われる、
一抱え二抱えもの荷物を持った島民達と一緒に船に乗り込みました。
本土脱出。
向かう先は直島。
お目当ては地中美術館です。
ずっと行きたかったこの美術館は私の膨らんだ期待通り、
怪しい雰囲気に包まれた館でございました。
この、安藤忠雄による打ち放しコンクリートの美術館は、
まずは土に埋められた外観に始まり、
内部の全体に薄暗く迷路まがいの設計に加えて、
収蔵品は空間認識を阻む方法で展示されており、
あきらかな意図でもって外と遮断され閉塞した場所なのに、
館内を進む度に、知覚の拡散を覚えます。
その上、スタッフは皆、
どこぞの新興宗教団体を思わせる白装束の
ひょろりしとした姿の若者達で、
コミューンにでも入り込んだような気分です。
そしてなかでも真っ暗な御手洗いは高ポイント。
手探りが必要な塩梅に、徹底したサイトスペシフィックへの
気概を感じ、思わずにやりとしてしまいました。
こちらは同島の「李禹煥(リ・ウーファン)美術館」の入口。
こちらも安藤忠雄の設計です。
その他、島中に点在する環境アートも直島の見所なのですが、
寒さで両手をポケットから出せず、あまり写真を撮れない中、
何故か猫の写真だけはきっちり枚数があるという不思議。
島の猫
夕方、岡山に戻りました。
この時、直島から本土へ到着した後の連係が上手くいかず、
駅構内で結構な時間、岡山行きの電車待ちを余儀なくされました。
おりしもクリスマス寒波真っ只中、
打ち震える相方と私をホットにしてくれる存在があったのです。
「酔って迷惑カキないで!」
JR西日本のさわやかマナーキャンペーンのポスターです。
岡山までの各駅に色々なタイプのポスターが貼ってあったので、
是非ともコンプリートしたかったのですが、
そこは私も単線運行、ローカル線における途中下車の恐ろしさを
身を以って知っている愛媛在住の人間です。
白い溜息が霧散してゆくとともに、そっと諦めました。
私のお気に入りは「席つめてくれマスカ!ット」です。
昨年の12月は忙しく、鳥達に不自由をさせてしまいました。
そのくせちゃっかり遊びに行った私への意趣返しでしょうか、
ピピンさんが某製菓店から送られてきた私への、
バースデー”全品1割引き”カードをボロボロにして下さいました。
これで許してくれマスカ!ット。
2012.01.09 | コメント(8) | トラックバック(0) | ピピンと非日常
