4半世紀と3年
12歳、子供料金を卒業する頃、
アレルギーやらいじめやら家の事情などで、
私はすでに朽ちた老木となっていた。
孤立とあきらめがデフォルトの毎日だが心臓は動く。
私は、少女の外見に見合うペイントを施して日々を過ごした。
現実はお気に入りの物語(大抵がSFで、私は完璧な体をもっている)
にそって、何百回何千回と作り直された。
ほどなく灰色の脳には極彩色のラフレシアが咲き乱れ、
花弁から噴き出す妄想は宿主を現実から遮蔽し、
私はますます枯れゆくのだった。
ある日、何千何百何十何回目の架空世界が進行していた日、
1枚のレコードが、まるで古びた書き割りを燃やすがごとく、
呆気なくきれいさっぱり私の世界を焦土に変えた。
そのアルバムはKISS「地獄の回想」
地獄の軍団の音楽は私の脳と子宮にガッツンときたのである。
ガッツンガッツンきたアルバムの表紙
「アライヴ!-地獄の狂獣-」
おそらく、特大の花火のような神経発火が起こったのだ。
ラフレシア?架空世界?ははは、莫迦ばかしい。
この音が聞こえぬ世界など世界ではないぞ?
新生した大脳皮質にプリントされているのは俗も俗、
通俗の極み、ロックンロールオールナイトだしラブガンだ。
よって、ははははは、私が起立するはリアルでしかありえんのだよ。
わははかかかかか、いざ行かんマイハニーのかいなへ
「ラブ・ガン」
そんな感じにKISSにイカレて4半世紀と3年間、
私は彼らを愛し続けた。
マイハニー、ジーン・シモンズに対しては恋心をも抱いており、
彼がインタビューの度に聞かれては答える「結婚?興味ないね」
は心の支えであった。
それなのに、だ。
それなのに、だ。
もう一度言おう、それなのに、だ。
http://toyoimai.cocolog-nifty.com/kissfcjapan/2011/09/post-2a32.html
ジーンが突然の結婚を宣言した。
お相手は28年間恋人だった女性。
まさに私がKISSを知った時からの。
(ああ、私が未成年でさえなかったら)
鏡で見ることはできなかったが、おおそらく、私は
「髪が逆立つ」というのを具現したのではなかろうか。
記事を読んだ直後に軽く失神、
地獄のさけびを上げ復活したものの、
「地獄のさけび」
かれこれ2週間、ふんぬと奥歯を噛みしめている。
12歳のインプリンティングはしつこいのだ。
ジーンの幸せは私の幸せ、などということを、
狭量な自分は欠片も思うことはできない。
だがしかし、重箱の隅ほどの祝福を彼に送りたいと思う。
私を生かしてくれた感謝を込めて。
はい、ピピンさん。
ありがとう、リンちゃん。
今は鳥達に感謝する毎日です。
どうだろう、セルジくん。
(社)日本動物園水族館協会に動物園・水族館の被害状況と支援のお願いが記載されています
(財)日本動物愛護協会、(社)日本動物福祉協会、(社)日本愛玩動物協会、(社)日本獣医師会による動物ボランティア募集などの緊急災害時動物救援本部が立ち上がっています
2011.09.17 | コメント(10) | トラックバック(0) | 未分類
