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ご褒美

寒くなりました。

空気がきれいなので一人歩きが楽しい季節ですが、
でもやっぱり寒いので籠りがちにもなります。

籠ると、読書が進みます。

「緑衣の女」アーナルデュル・インドリダソン
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アイスランドの犯罪小説。捜査官エーレンデュル・シリーズの邦訳2冊目。
1作目ではレイプ、この2作目はDVを扱っている。女性に対してのだ。
著者(男性)は暴力による女性の躰は言うに及ばず精神への破壊を克明に
文章にすることで、これらの悍ましい犯罪を糾弾している。
ところで、私は北欧映画がきわめて好きで、理由は憂鬱な美しさがあるからです。
この小説も北欧独特の沈鬱な空気が凝縮されており(話の内容から美しさはあまりない)、
読んでいる最中は部屋の明かりがひとつ暗くなったように感じた。

「海賊女王」皆川博子
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こちらはアイルランド。エリザベス1世の時代、
アイルランドを支配したいイングランドとゲール(土着のアイルランド人)の争い。
ゲール側は海賊女王グラニュエル・オマリーとその従僕ハイランダーのアラン、
エリザベス女王と矮躯の枢密院、その他準主人公クラスの人物が沢山出てくる。
登場人物の多さと半世紀をおっているので歴史年表を読むような所もあるが、
隠密(イングランド)冒険(アイルランド)小説としてとても面白い本でした。
後半、50~60歳の海賊女王の暴れっぷりが楽しい。

「チャイルド・オブ・ゴッド」コーマック・マッカーシー
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ある殺人者の物語。その男は粗暴で面倒、社会集団に馴染めないだけで
”ふつう”の人間と周囲は思っていたが本当は狂っていた。
そしてどんどんどんどん狂気を増していった。
壮麗な大自然に囲まれた小さな町で行われるグロテスクな行為。
感情描写を抑えて綴られる粛々とした文体はまるで詩であり、
詩の定石を習うように生臭い不浄を押し潰し消化している。
なにやら美しい物語と勘違いしてしまう。




前記事でピピンさんの尾羽を褒めていただいたので、
調子に乗ってこれをあっぷ。

外側1枚ずつがセルジくんの羽根で、内側がピピンさん。
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コザクラインコの美しい尾羽はとても貴重です。

何故なら回収が非常に難しいからです。

抜けた直後を逃すと、力強い嘴であっという間にボロボロにされます・・・
我が家に限ってかもしれませんが・・・

そんな美しい羽根のお手入れはセルジくんのお仕事です。

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でもピピンさんは気分屋さん。

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でもセルジくんはどこまでだってピピンさんを追い掛けます。

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だって、

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ご褒美があるから。

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ただ、このご褒美はピピンさんの気分次第で「突き」にも変わります。


写真のハンガーの真後ろには止まり木が設置してあり、
そこに竜胆が止まっていたのですが、

ピピンさんたちを激写していたら、竜胆、拗ねてしまいました。

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2013.11.14 | コメント(10) | トラックバック(0) | ピピンと本

ティッシュペーパーファンタジー

夏バテの季節は過ぎ去り、残暑バテの季節が到来しました。

残念な私は残暑バテと秋風邪のコングロマリットにより、
大脳をほんのり上気させている次第なのでございまして、

それならばいっそ意識を飛ばしてみるかと、
濃厚なファンタジー小説を手に取ってみました。

ピーター・S・ビーグル
「最後のユニコーン」

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世界で自分が最後の1頭だと聞き及んだユニコーンが、
冴えない魔法使いと辛辣な女を伴って、仲間探しの旅に出る物語。
同じようにホビット達が旅に出るトールキンの指輪物語のような
壮大な展開はまったくないが、いわゆるお伽話の世界で、
ユニコーンという非常にクールな生き物と、
何かととんちんかんな登場人物達が織りなすスクリューボール・コメディ。
ではなく、ストーリーという小説として大切な枠組みを逸脱しかかるなど、
多少ついて行けない部分もある、これぞファンタジーという一冊でした。

人間主体ではないので、少しとっつきにくいかもしれませんが、
とても楽しめる本です。


読後、しばし脳内妄想を楽しんでいると、
視界の片隅、物陰からカタコトと不定期な音が響いてきました。

これはもしや幻獣が出現したのかしらと音源を辿ってみると、

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ティッシュボックスからペーパーを取り出そうと
しきりに頑張っているピピンさんと出会いました。

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カタコトではなく、ガサゴソでした。

近い将来、振り返れば乱舞するティッシュペーパーを
目撃するかもしれません。


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2012.09.06 | コメント(6) | トラックバック(0) | ピピンと本

3月11日

この日とは全く関係ないようにみえた本を、
先日、読み終えました。

カズオ・イシグロ
「わたしを離さないで」
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原題「Never Let Me Go」

1950年代から科学が猛烈なスピードで発展した世界においての現代、
主人公キャシーの仕事は臓器提供のためにクローンされた「提供者」の
「介護人」であり、キャシーもいずれ「提供者」として「使命」を終える運命
であった。同じ施設で育った親友の介護をきっかけに、キャシーは延命
の可能性を求めてある人物を訪ねに行く。


この物語の1文に、私は落涙しました。(中略しています)
「科学が発達し、新しい治療法が見つかった新しいすばらしい世界で、
消えていく古い世界を胸に抱きしめて、離さないでと懇願している」

私には、震災で家族を故郷を失った人々の、
すばらしく効率の良いこの世界に対する叫びのように、
心に聞こえてきたのです。




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ところで、前回記載したナッツ☆パーティーは失敗に終わりました。


砕いた生ピスタチオを見つめるピピンさん
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「食べ物ではなキュってよ」

切ない判断が下されました。

でもこっそり、毎日、ほんの少し、ペレットに混ぜて出しています。

竜胆とセルジくんは少し食べてくれているような気がしますが、
ピピンさんはきっちり避けています。

美味しくないのかなぁ。

現在、ナッツは私の春の体重増加に大貢献しています。




2012.03.11 | コメント(2) | トラックバック(0) | ピピンと本

寄り添って

アーシュラ・K・ル=グウィン
「いまファンタジーにできること」
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原題「Cheek By Jowl」

SF、ファンタジー作家であるル=グウィンのエッセイや講演を纏めた本で、
「一級のファンタジーは一級の導きを提供する」(本文抜粋)ことを
様々なファンタジー小説を例にとって案内しています。

ところで、この本は動物物語を多くとり上げており、
動物を幼稚なものと扱い、動物だから許されるとでも思ったのか、
人間社会の悪しき風習をそのまま動物たちに押し付けている小説、
人間を特別な存在にするために動物たちを利用する小説を、
ル=グウィンは辛辣に批判しています。

かの名作、ジャック・ロンドンの「白い牙」をも、
冷酷と愛が胸を刺す物語と高評価しながら、
主人公(犬)にとって人間は神だと記したロンドンのそれは
人間が自惚れすぎであり、「生物種的偏見」だと指摘している。

おそらく動物好きの本好きであれば大抵は引っ掛かるであろう
「この本はとても面白いのだけれど、ちょっともやっとする」部分を、
晒してスカッと晴らしてくれています。


また、ル=グウィンは人間のコミュニティと動物たちの世界が
隣人関係であった過去を語り、

現在の人間というひとつの種しかいない社会の中では、
ペットは「他者たち」の世界への重要なリンクだと位置付けています。

だからでしょうか、人がペットに手を伸ばす時、
その身に纏う空気がするりと変わるように感じるのは。

まるでベターハーフを求めるに似た仕種は、
彼らと寄り添って生きた世界へ帰還した証なのでしょうか。


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放鳥中、竜胆を腕に乗せたまま30分程うたた寝をしてしまい、
はっと起きてみれば、竜胆が寝る前と同じ位置にスタンバイしていました。

小声でピヨと、起きた?とでも言うように鳴く竜胆に、
寄り添ってくれてたのねと、気持ちがほっこりしました。


時折、あやしい寄り添い方をする竜胆ですが。

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私のベターハーフを自負するピピンさんはエロリンにも余裕です。


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お眠むのピピンさんと、足掛けを頑張るエロリン。


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ル=グウィンは手厳しい了見の持ち主ですが、
飛び抜けたユーモアで笑わせてもくれます。

この本では小説家らしく、原作を踏まえない映画(アニメ)化を
ユーモラスに嘆いていました。

はなはだしく誤って伝えられ、センチメンタルなものにされ、
質を劣化させられているものは、たぶん『バンビ』だろう。
『バンビ』というタイトルを読んで、
眼球の肥大したキュートなスカンクたちが目に浮かぶ人がいたら、
ディズニー病にかかっている。




2012.02.26 | コメント(6) | トラックバック(0) | ピピンと本

素粒子ふえました

昨年から素粒子に嵌っています。

素粒子とは、物質を構成する最小の粒子です。

例えば、

私やピピンさんの細胞を分割していくと原子になり、
原子は原子核電子で構成され、
原子核は陽子中性子で構成され、
陽子、中性子はクォークという粒子で構成されています。

そのクォーク、そして電子が、
これ以上分割できない素粒子です。

クォークの想定される大きさは、
10^-18m(10のマイナス18乗メートル)

しかも小説に出てくる鳥の鳴き声から
「クォーク」と命名されたそうで、

数字萌えで鳥フェチの私が素粒子に悩殺されるのは
当然といえましょう。

しかし物理学の本を何度手にしても、
シワのない美しい脳を持つ私に読破は困難であり、
書店の物理コーナーでむなしく佇むばかりでした。

そんな私に朗報です。

美脳でも対応できる本が出版されていました。

『ノーベル賞理論!図解「素粒子」入門』白石拓
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文と絵がほどよいバランスなのでとても解り易く、
しかもどのページを開いても萌え要素満載の一冊です。


今すぐ素粒子に萌えたい、そんな貴方にはこちらをお勧めします。

スーパーカミオカンデ公式ホームページ

素粒子の中でも私の一押しニュートリノの観測場です。

ニュートリノは宇宙から地球に降り注いる粒子で、
カミオカンデはそれをキャッチするために地下1000m
作られた直径高さともに約40mの光センサー付き水槽です。

因みに場所は岐阜県。
日本一堅い岩盤があったからだそう。

地下に巨大水槽

地下に光る巨大水槽

ロマンです。




現在、急激に素粒子が増え続けているピピンさん。

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もっちりしています。

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ここまでくるとお玉待ちです。

今回もお玉阻止運動を打破したピピンさんの体は、
ダリの絵のように非現実的な福福しさです。


竜胆も少し胴回りが・・・

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少しむち、かな。

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でもよく走っているので大丈夫でしょう。


問題はセルジくん。

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最近、動きが鈍いのです。

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しかし最大の問題は、
私の素粒子も急増したことです。

例年になく餡を食べすぎた報いでしょうか。
禁餡ダイエットを始めたいと思います。


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2011.01.11 | コメント(6) | トラックバック(0) | ピピンと本

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プロフィール

暁さゆり

Author:暁さゆり
女性
愛媛県在住
動物が大好きで、鳥を偏愛
増える記憶の整理整頓ブログ
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・竜胆[リンドウ]情報
サザナミインコ(コバルト)の男の子
2009年9月23日辺り生まれ
「ぴーちゃんハウス」からお迎え
軌跡は竜胆日記からどうぞ


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